有名雑誌でもWilson病がアツい!?
前回までの記事で、Wilson病 3部作(?)が完結しましたが、
近年に発行された、いくつかの医学雑誌の教育的症例検討のコーナーで扱われた症例のうち、Wilson病が最終診断であったものを調べてみると、
なんと…
2013年と2014年にThe New England Journal of Medicine誌からそれぞれ1本ずつ、
さらに、2015年にはChest誌から1本と、立て続けにWilson病が題材となっていました。
まずはNEJMの1本目は、CPSから。
21歳の女性が亜急性の全身倦怠感と失神のエピソードで来院し、肝機能障害と溶血性貧血を呈していたという症例です。
答えを知ってタイトルを読むと、あぁ〜って感じますね。
確かに銅は必須微量元素の1つですよね。
出典は定かではありませんが、国試のときに以下の語呂合わせで必須微量元素10個を覚えたのを思い出しました。
“私、黒柳徹子(さん)にどうしてもあえません”
I Cr Fe Co Ni Cu Mo Zn Mn Se
そしてその翌年にはCRMGHから。
29歳の慢性下痢、体重減少が主訴で来院し、肝機能異常を呈していたという症例でした。(難しい!!)
まれではあるけれども(特に小児で)Wilson病で慢性下痢を呈する症例も報告されているようです。
そして2015年には、ChestのPearlsから。
これは、10代男性が重篤な肝不全と溶血性貧血で来院した症例でした。
Wilson病は、これらのトップジャーナルの教育的症例検討コーナーで繰り返し扱われるような疾患であるようです。
つまり、それほど診断が難しいことを表していますが、その一方で、疾患について詳しく知っておくことで診断・治療を行うことができ、人を救うことができる大切な疾患であるということを表していますね。
もしよろしければ、これを期に、再度、Wilson病 3部作に目を通していただければ幸いです。